スタックタイマーを調べてみよう

スピードキュービストなら、かなりの所有率を誇るであろうスタックタイマー。
公式の大会でも使用される、このスタックタイマーで以前から気になることがあったのですが、
ハヤシさんの映像をきっかけにちょっと調べてみることにしました。


スタックタイマーの中で気になる部分といえば、そうあの「穴」です。
↓トーナメントディスプレイと接続する穴。


この穴から、トーナメントディスプレイに対してなんからの信号が出て、結果としてタイムが表示されているということは容易に想像できます。
しかし、一体どんな信号が出ているのか? 仕様も公開されていませんので、これは自分で調べるしかありません。
まずは、スタックタイマーとPCを接続できるようにしないと何も調べることは出来ません。そこで早速ケーブルを購入してきました。

PC側はマイクのジャックに挿すので「ミニプラグ」、タイマー側は「φ2.5超ミニプラグ」なので、「CN-120A (ケーブル) 」と「AP-125A(変換コネクタ)」を購入しました。

同等品であれば、他メーカーでも問題ないでしょう。


とりあえずコネクタとケーブルをタイマーに挿してPCとつないでみます。



まずはどのような波形が出ているか録音してみます。
0.009.32
聞き比べると、若干変化しているのがわかります。 耳で聞いて変化のわかる程度なので、なんとかなりそうです。



では、このファイルをダンプしてグラフにしたものを見て下さい。 一定間隔で繰り返されるものを1つ分だけ切り出しました。

0.00


9.32



データを直接見ていると信号全体は、およそ0.01秒周期で繰り返されており、 信号の上下の激しい所と、なだらかに下がっていく部分に分かれています。 この上下の信号のところに注目してみると、上または下の信号の状態になっているのは約0.000875秒です。
(データは8bit、サンプリングレート8000で取得)

この状態を上の状態を1、下の状態を0として数値データに変換してみます。

0.00:01001001010000011001000001100100000110010000011001000001100100000001010010100001010110000
9.32:01100101010000011001000001100101001110010110011001001001100100111001010010100001010110000

※赤字は値の異なる箇所


なんとなく雰囲気が分かってきましたね。 さらに特徴的な箇所に色を加えてみると次のようになります。

0.00:01001001010000011001000001100100000110010000011001000001100100000001010010100001010110000
9.32:01100101010000011001000001100101001110010110011001001001100100111001010010100001010110000

この一定の間隔で繰り返される110010がどうやら桁の区切りのような雰囲気です。となると、9.32の数字もなんとなく見えてきますね。2進数で下位ビットから順に入っているようです。 ひとまず上記のことを仮定して、他にもデータをとって見ましょう。

0.04:01100101010000011001000001100100000110010000011001000101100100010001010010100001010110000
0.05:01100101010000011001000001100100000110010000011001010101100101010001010010100001010110000
0.06:01100101010000011001000001100100000110010000011001001101100100110001010010100001010110000
7.09:01100101010000011001000001100101110110010000011001010011100100000101010010100001010110000
0.97:01100101010000011001000001100100000110010100111001011101100100000101010010100001010110000
35.40:01100101010000011001011001100101010110010001011001000001100100011001010010100001010110000
3:56.42:01100101010110011001010101100100110110010001011001001001100100010101010010100001010110000


どうやら数値についてはビンゴのようです。 となれば、あとはこの値を取り出して加工すればいいですね。
ということで、試作版の動画です。

ダウンロードはこちらからどうぞ。
おまけでトーナメントディスプレイ機能もつけてます。

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ここで解説したデータは私個人が勝手に推測したデータに基づくものであり、実際の仕様とは異なっている場合があります。 また、スタックタイマーとPCを接続して発生した問題については一切責任を取れません。 このページをみて自分もやってみようと思われた方は、ご自身の責任で行ってください。